突然グラッと来る地震、本当に怖いですよね。
僕たちも現場で、高い足場の上にいるときに地震が来ると、本気で生きた心地がしません。
特に京都という街は、千年以上の歴史を持つ古いお寺や神社が数多く残っていることからも分かるように、昔から自然災害と真摯に向き合ってきた街です。でも、ことコンクリートの橋に関しては「昔のままで大丈夫、歴史的建造物だから」とはいきません。
今日は、私たちが日々取り組んでいる「京都 橋梁工事」の中でも、近年特に重要度が増している「耐震補強」について、現場のボヤき……いや、リアルな実情をお話しします。
「狭い・古い・図面がない」という恐怖の三重苦
京都で耐震補強の工事をする時、私たちを一番悩ませるのが「昔の図面と、今の現状が全然違う!」という事態です。
昭和の高度経済成長期に作られた橋なんかだと、図面には全く書いてない謎の水道管やガス管がドーンと通っていたり、コンクリートの厚みが場所によって微妙に違ったりするんです。
「ちょ、待って。これじゃ用意してきた補強金具が物理的に入らへんやん!」と、現場の初日でいきなり頭を抱えることから工事がスタートします。
しかも、京都の橋の下って、想像以上にスペースがないんです。
地震で橋が倒れないように、橋脚(橋の足にあたる部分)の周りをぐるっとコンクリートや特殊なシートで巻いて補強したいのに、すぐ隣に民家のブロック塀が迫っていたり、川の水位が高くて十分な足場が組めなかったり。
そんな時はもう、職人たちと「これ、普通に立ったら身体入らへんで」「しゃあない、息止めて這いつくばって作業するしかないな」なんて冗談半分・本気半分で言いながら、泥まみれになって作業することも珍しくありません。
最新のハイテク素材も、最後は「人の手」が命
最近の耐震補強工事では、「炭素繊維シート」というハイテク素材を巻きつける工法が主流になっています。
これ、見た目はただの黒い布切れなんですが、樹脂(接着剤)を含ませて固まると、鉄よりも強くて軽いというものすごい素材なんです。
ただ、このハイテク素材、扱いがめちゃくちゃ繊細で難しいんですよ。
コンクリートの表面を平らに磨き上げ、シートに気泡(空気)が絶対に入らないように、樹脂を均一に塗ってピタッと貼り付ける。
京都の夏特有のあのサウナのような蒸し暑さの中だと、樹脂があっという間に固まってしまうので、まさに時間とのスピード勝負。しかも、作業中に職人の額から汗がポタッと一滴落ちただけでも、そこから接着不良を起こす可能性があるのでやり直しになります。
結局のところ、どんなに何百万円もする最新の良い材料を使っても、それを現場で貼る職人の腕がヘボかったり、雑だったりしたら全く意味がないんです。
狭くて暗い、誰からも見えない橋の裏側で、ミリ単位の気泡を専用のローラーで必死に押し出している時、「俺たち、本当に地味でしんどい仕事してるなぁ」って思いますよ。
京都の安全を、見えない足元から支え続ける
でも、もし今後、大きな地震が京都を襲った時。
僕たちが汗だくになって貼ったこの一枚の黒いシートが、橋の崩落をギリギリで防ぎ、上を通る誰かの命を救うかもしれない。避難経路を確保するかもしれない。
そう思うと、やっぱり絶対に手は抜けませんし、妥協なんてできません。
耐震補強工事は、終わってしまえば塗装の下に隠れてしまい、一般の方の目には全く触れません。
でも、私たちはその橋の「強くなった中身」を誰よりも知っています。
「うちが手掛けたあの橋なら、震度6が来ても絶対に持ちこたえる」。そう胸を張れる仕事だけを、私たちは提供し続けます。
そんな私たちの、少しマニアックで執念深い耐震補強や特殊工法については、こちらのページで詳しく解説しています。
かなり狭い場所での施工事例なんかもあるので、インフラ管理でお悩みの方はぜひ覗いてみてください。



